清澄白河を代表するコーヒーショップと言えば、ブルーボトルよりも「アライズコーヒー」かと思います。
わずか4坪の、決しておしゃれとは言えない(むしろ雑多な)空間に、ひっきりなしにお客さんが訪れては店主と会話を楽しむ様子は、コーヒーショップを開きたい人にとって理想郷のように感じることと思います。
店主の林さんは、有名喫茶店にも豆を卸しているロースター「山下コーヒー」で焙煎士としての腕を磨き、清澄白河「クリームオブザクロップ」の初代焙煎士として活躍。
愛着のある清澄白河に、自身のお店をオープンしたのが2013年9月。
1年後の2014年9月には、近隣にカフェ「エンタングル」もオープンしています。
アライズコーヒーの魅力は、コーヒーの美味しさもさることながら、林さんと常連さんがつくる空気感でしょう。
メニューは、紙カップで提供されるドリップコーヒー(350円~)と、近隣の「コトリパン」から仕入れるパンくらいのもの。
美しいラテや美味しいスイーツなどはありませんが、週末は行列ができるほどの人気なんだとか。
こうした個人店は、とかく店主のキャラクターに人気の理由付けをしたくなりますが、実はそれだけでは成功するはずもなく、現実的には他にはない個性的な生豆を見分ける眼力や、焙煎の腕という基盤があってこそと感じます。
ただ、そういうこだわりが過ぎるとただ自己満足の店になってしまうのですが、林さんはそこのバランスがうまいですね。
蘊蓄が少し、あとはただ美味しいコーヒーが飲めればいいというお客さんも多いですから。
オープンして二年足らずですが、すっかり街のコミュニティスペースとして機能している姿は、これからの日本のコーヒービジネスのひとつのお手本となるに違いありません
(というか、みんな目指しているのはたぶんこんな形なんですよね)