年末から携わっていた、そばのレシピ本ができました。
最近のそばのトレンドとして感じるのが、つけ汁のバリエーションが増えていること。
一昔前は、いわゆる「石臼挽き自家製粉・手打ち麺」のそば店は、せいろやかけそばなどオーソドックスなメニューが中心で、創作そばといっても大根おろしや冷やかけなど、あくまでそばの味をじゃましない、定番のものが大半だったのですが…。
ここ数年は、超粗挽きの風味が強いそばや、細挽きの繊細なそばを出すようなお店で、それぞれのそばに合った創作そばを次々に出しているから、面白い。
代表的なのが、先日ブログでも紹介した「庵浮雨」さん。
風味の強い粗挽きそばに、これまた濃厚なクリームソースのつけ汁。
一見すると邪道とも思われがちですが、食べてみるとその絶妙な相性に目からウロコ。
また、もうひとつのトレンドが、野菜をつかったそばが増えていること。
なかでも、そば店で流行りの食材は「トマト」。
色がきれいで、手に入りやすいというのも多用される理由でしょう。
夏の「トマトそば」は珍しいメニューではなくなりましたが、単にトッピングするだけでなく、つゆと喧嘩しないようにだしで漬けてマリネにしたり、ラタトゥユにしてのせたり、提供前にだしで軽く煮て味を含ませたりと、ひと手間かけたメニューが増えてきています。
また、ごまだれや鴨そばなど、そば店の定番メニューにもバリエーションが。
ごまだれでは、辛味を加えて坦々麺風にしたり、バーミックスで攪拌して泡状にしたり。
鴨そばでは、ロースとモモ、つくねを3種を入れたり、焼いた鴨とつけ汁を別々に出したり…と、芸が細かい。
日本古来の食べ物が、こうして進化していくのは面白いですね。
こうしたメニューを機に、若い人がそばを食べる機会が増えるといいなぁ…と思います。