最近、ラーメン本を担当させていただいたので
印象に残った店をいくつか。
まずは、2012年11月にオープンながら、
すでに食べログで4.0以上の高評価を獲得している「鶏喰」。
場所は、横浜市営地下鉄・吉野町駅から徒歩0分の交差点角地。
鶏のイラストが目を引くユニークな外観です。
メニューは、丸鶏を贅沢に使用した鶏清湯スープをベースに、
タレや香味オイルで味の変化をつけており、
「鶏の醤油」、「鶏と鰹の醤油」、「鶏の塩」の三本柱で構成。
オリジナルの丼もかわゆい。
調味料は良質なものを厳選しており、
醤油は、金沢の「ひしほ」と「いかいしる」、小豆島の純正醤油をブレンド。
塩は、ゲランドの塩、沖縄の塩など3種類をブレンドし、
アサリや昆布などでとる魚介だしで作る塩ダレを使用しています。
鶏の醤油らーめん。
濃口醤油のコクとひしほの奥深い旨味が融合し、
醤油の甘みが際立つマイルドな味わい。
デフォルトのトッピングが、鶏つくね、真空調理の鶏ムネ肉、
鶏モモ肉チャーシューの3種類というのも、手間をかけた味づくり。
鶏と鰹の醤油らーめん。
カツオオイルで魚粉のようなパンチのある風味を加えた醤油味。
魚介風味が強まる分、旨みの相乗効果&あっさり食べやすい味に。
私はこの味が一番好きかな。
麺は自家製ではありませんが、
北海道産小麦「春よ恋」をブレンドした中太ストレート麺。
しなやかでもちっと感もあり、スープのなじみがよいです。
塩らーめん。
3種の塩や魚介で作る塩ダレを合わせ、様々な旨みを融合。
ちなみに煮玉子は、千葉・押木養鶏場から直送する「紅孔雀」を使用。
良質な卵の持ち味を生かし、薄塩味に仕上げています。
店主が洋食出身ということで、洋風の洗練された盛り付けも美しい。
味変アイテムは、唐辛子の辛味がガツンときいた辛味薬味。
最近、こういうところにも凝っているラーメン店、増えましたね。
これ、ハバネロより辛いかも…なので、本当にちょびっとにするのがおすすめ。
さらに、サイドメニューの丼にも一工夫が。
手前は、塩ダレに使うアサリを二次活用した丼。
塩らーめんのスープで、お茶漬け風に食べるのがおすすめ。
奥は、角切りにした鶏ムネ肉とモモ肉チャーシューを炒め、
チャーシューダレとマヨネーズで濃厚な味に仕上げた丼。
炒めるひと手間で、香ばしさがアップしています。
そして、この店の素晴らしいところは接客にあり。
ご夫婦で営業されているのですが
奥様もご主人も明るくさわやかで
待っているお客さんにお茶を出したりという気配りまで
ラーメン店ってまだまだ男性だけの職場がほとんどなので
女性がいるだけでこんなに華やかで明るい雰囲気になるんだ!と再認識します
最近は、ネットやラーメン本などでかなり詳しく情報を拾えることもあって
有名ラーメン店出身や、ラーメン店での修業歴がなくても
こうした完成度の高いラーメンを提供する店が増えていることに驚きます。
ラーメン業界全体の水準がどんどん上がり、
おいしいラーメンが当たり前に食べられる昨今、
人気店になるには味だけでなく、接客や立地、強烈な個性など、
他の要素がますます重要になっていきたなぁ…と感じました。