今回取材した中で、もっともインパクトが大きかったのが
新宿御苑前の「gotsubo」さん。
創作麺で人気の市ヶ谷「庄の」 さんの3号店です。
野菜を食べるつけ麺…。
どっかのカレー屋で聞いたフレーズと書体(笑)
そのメニューとは、いろんな意味で
「ラーメンもついにここまで来たか…」と思わせる内容でした。
その実態は…。
これです↓
「ベジつけ麺」950円也。
見た目からしてもう、これはラーメンの域を超えています!
バーニャカウダにヒントを得て開発したというこのメニュー、
つけ汁はニンニクと煮干しのきいた鶏スープで、
バーニャカウダ風に、野菜をつけて楽しめるようにもなっています。
そのつけ汁、大変手間がこんでおり、
ベースは丸鶏でとる鶏白湯と、
モミジや手羽などでとるだしを合わせた「鶏のWスープ」。
そこに、煮干しやニンニク、ジャガイモや玉ネギなどの野菜を加えて煮込み
ミキサーでポタージュ状にするというユニークな手法。
バターや生クリームで乳製品のコクも加えています。
ベースは鶏ですが、ニンニクや煮干し、塩分がしっかりきいているので
結構ヘビーな味で、ラーメンらしい食べ応えは存分にアリ。
さらに手前の野菜も、常時10種類以上をデコレーション。
季節の野菜で作るソース(写真はグリーンピースと新ジャガイモ)や、
クスクスをのせた味玉、真空調理と炙り、2種のチャーシューなど
ひとつ一つの具にも手間をかけています。
麺は、北海道産小麦や全粒粉、カツオ粉を練り込んだ
風味高くモチモチと力強い太麺。
ガツンと塩気もきいたつけ汁には、これくらいの麺でないと負けてしまう。
店内には、オススメの食べ方の解説も。
後半はレモンを搾り、最後は鶏とショウガのスープを足してリゾットにと、
段階的に味の変化が楽しめます。
季節メニューの「トマトに隠れた冷たいラーメン」980円。
清湯にトマトジュースを加えたスープに、
トマト、クリームチーズと生クリームのホイップ、山椒オイルをトッピング。
見た目はイタリアンの冷製パスタのようですが、
鶏のコクが根底にあり、食べるとしっかりラーメン(笑)
なんと、底に味玉やチャーシューなどの具が沈んでおります。
庄野さんらしい、遊び心あふれる仕掛け。
昨今はあの手この手で差別化を図るラーメン店も多いですが
単なる奇をてらったメニューでは、リピートはありません。
「gotsubo」のメニューは、これだけ複数の素材を使いつつも、
きちんと「おいしい」という着地点にまとめ上げている。
その絶妙なバランス感に、庄野さんのセンスのよさを感じます。
今後もラーメンの可能性は、まだまだ広がりそうですね。