小豆島でやってみたかったことのひとつが「手延べそうめん体験」。
そうめんの製麺所はいくつかありますが、体験ならここ「なかぶ庵」さんがおすすめ。
もう観光シーズンも外れているので、この日は我々のみで、ゆっくり体験させていただきました。
まずはそうめんがつくられるようになった背景などをお話いただいたあと、実際の工房を見せていただきます。
小豆島の手延べそうめん作りの歴史は、なんと奈良・平安時代にはその原型があったとか。
以前は油を使わない「索麺」と呼ばれており、慶長年間に、お伊勢参りに行った小豆島の住人が旅の途中で、大和の三輪で手延そうめんづくりを見聞し、冬場の農家の副業に最適と思い、持ち帰ったという説があります。
工房は、想像よりも小さな部屋。
そして製麺機?がたくさんある…???
うどんやそばと違い、素麺は加水50%と多加水の生地をつくり、それを機械で徐々に細くしていくんだそうです。
なので、同じように見えた機械は、じつは麺帯を入れるところの幅がちょっとずつ違っていました。
のばした麺帯は、うずまきのようにロープ状に巻いて、くっつかないようにごま油をぬります。
ごま油も、小豆島を代表する産物のひとつ。なので、ほかの地域では違う油を使います。
このごま油も、小豆島のそうめんならではの風味になるんですね。
そしてこの滑車のようなものがたくさんついた機械。
いかにも原始的ですが、非常に複雑な構造をしています。
真ん中に白い棒が2本映っていますが、これで織物のように素麺をたぐって棒に麺を巻き付けていくのです。
このときに麺にひねりを加えるのがポイントで、そうしないと後で伸ばした時に切れやすくなってしまうのだとか。
そうして棒に巻きつけた麺をのばしていくのが、体験の工程になります。
そーっとそーっとのばしていきます。ゴムのようにのびるのびる!!
さきほど機械で巻き付けたときに、麺は中心でクロスしてかかっているので(そのままかけると麺がくっついてしまうそうです)そこから一気に麺をはがしつつのばします。
えいっ!
この作業、気持ちいい!
そして長くなった素麺を、屋外で干せば完成です。
これだけの工程をふむそうめん…高価なのがよくわかります。
そして体験後は、そうめんの試食付き。
「生そうめん」という、完全に干し切らないそうめんをいただいたのですが、これがもちもちしていて今まで食べたことのない食感!
見た目の色からして、透明感が違う!
体験後は、「修了証書」ももらえます。見ると「初級」の文字が。
「次回は中級にチャレンジしてくださいね~」とご主人。
これだけの体験をさせていただき、600円というのもびっくりなお値段。
そしてそして…
帰宅後、2~3日経ってから「なかぶ庵」さんからの郵便物が。
なかには素麺の記念品と、お手紙が入っていました。
帰宅してからも大感動の体験をありがとうございました!!
これからは、そうめんを食べるときの印象がまったく変わりそうです。
そうめんの昼食付きコースや、昼食のみの利用もできるので、ぜひ行ってみてくださいね