U35の料理人が考えていること

専門料理最新号は、U35の若手シェフのインタビュー企画。
最近、料理長やオーナーシェフという立場の人が自分より年下、ということがちらほらと出てきて、嫌でも年齢を自覚させられることが増えています。
そんななかでのこの企画。
日頃、取材でも明らかに世代のギャップを感じることも多いので、彼らが何を考えているのか、ということに対してはとても興味があり。
今回の企画には直接携わっていないので、一読者として楽しませてもらいました。
記事を読んだ感想と、日頃の取材から感じることは、今の若者は冷静に時代を見ているし、したたかにやりたいことを貫く意思があり、自分が楽しむこともきちんと優先する、という面があるのでは、ということ。
例えば修業ひとつとっても、「包丁をさわらせてもらうまで◯年」といった昔ながらのやり方に対して、時間の無駄である、他の道がある、とはっきり割りきれるのが現代の子たち。
伝統を否定する訳ではないけど、昨今の急速な情報化の前には、旧来の常識が通用しなくなっていることは明白。
そして、料理一辺倒でなく、音楽やアートなど様々な分野にも関心が深いのも、昔の料理人にはなかった特徴。
料理人として、お皿の上だけを追求していくのではなく、他業種とのコラボレーションも活性化しそうだし、「これからの料理人は、お店の外で稼げるシステムを作らないと、生涯現役は厳しい」と真剣に考えている人も多いのかもしれない。
というのも、日本では料理人の価値が低く見られる傾向が根強く、仕事に対する対価が低すぎる、と憤慨しているシェフも大変多いから。
そういう声をトップのシェフが上げ始めたら、この業界も少し変わっていくのかな、と思いました。
若手の育成に悩む経営者シェフにもぜひ読んでいただきたい一冊です。

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