優れた料理人って、努力だけではどうしようもないセンスってあると日々思っているのですが、それは料理に限らずパンでもお菓子でもいえること。
一見普通のお店でも、実はとんでもなくおいしいお店もたくさんありますよね。
金町にある「とらやベーカリー」さんも、店構えはホントにちっちゃくて目立たないお店なのですが、中に並ぶパンはどれも秀逸。
何より、他では食べられない個性的なパンがたくさんあるので、専門誌の取材もしょっちゅうの人気店です。
懐かしい趣の「コッペサンド」。
普段はあまりあんぱんって食べないのですが、ここのはまじうま。
リッチで歯切れのよいヴィエノワ生地に、こくのあるミルククリーム&塩気がしっかりきいたあんのバランスが絶妙です。
新商品の「あんずと白あん」は、やわらかく煮たアプリコットと白あんのコンビ。
一見和風なんだけど、アプリコットをバニラを加えたシロップで煮ているからか、食べると洋風な感じもあって楽しいパン。
店主の森岡さんは、アンデルセン、オーバカナル、ジョエル・ロブション、ペルティエと名だたる有名店を渡り歩いた実力派。
大衆店から高級ブーランジェリーまで幅広い経験を経たことも、今の自由なパンづくりにつながっているんですね。
パン屋さんは日常のものですが、ここはわざわざ買いに行きたいお店のひとつです。