【お仕事】ガストロノミーツーリズムを学生と考えるワークショップ

奈良県と楽天が主催する、ガストロノミーツーリズムのワークショップに参加させていただきました

ガストロノミーツーリズムとは、その土地の食文化に触れることを目的としたツーリズムのこと。昨年、日本で初めてガストロノミーツーリズムが開催されたことや、コロナ明けのインバウンド需要を期待して、今後ますます世の中に知れ渡っていく概念かなと思っています。

ワークショップの内容は、奈良県立大学、立教大学、明治大学の学生さんが、4グループに分かれて奈良のガストロノミーツーリズムを企画するというもの。1時間の中で企画をまとめ発表します。


ポストイットでアイデアを貼り出したり、模造紙にキーワードを書いていったり、グループごとにアプローチも手法も様々。


学生さんたちめちゃくちゃ優秀で、本当すごい。個人的には母校の学生さんがいるのも嬉しかった〜。

各グループ発表の後は、隣の「toki」へ移動。奈良の一つ星「アコルドゥ」川島シェフのデモンストレーションを見学。大和菊菜をピューレにし、アサリのだしを合わせます。シェフいわく、大和菊菜はえぐみがなく、海の香りがするのだそう。

デモンストレーションのあとは、お待ちかねのコース料理!奈良の食材や文化、歴史までを反映させたお料理に、学生さんたちはどんな思いを感じ取ったでしょうか

「海の香りの奈良 奈良の香りの海」。海のない奈良の都へ魚が献上されていたであろう過去に思いを馳せた一皿。先程のソースを牡蠣と菜の花に合わせた、春を予感させるお料理。

「醤酢に蒜つきかてて鯛願う」。万葉集を引用したお料理名が素敵。醤酢とネギで和え、トリュフの香りをまとわせた鯛と、レバーコンフィの組合せ。

「まめくら豆と下北春まな」。奈良・山添村のまめくら大豆は、邪気を払う豆まきの豆。そこに、鬼にまつわる逸話の残る下北山村の下北春まなを取り合わせたスペイン風炊き込みご飯。やさしい味のご飯に濃厚な豆の旨み。

メインは「大和牛のアサード 燻した香りとその次にあるもの」。奈良のシンボル(もちろんアコルドゥも!)を描いたお皿がかわいい。お肉と一緒に燻したローズマリーが運ばれてきて、奈良の山焼きの風景を思い浮かべながら香りに包まれていただくという演出。

川島シェフの料理は、一皿ごとのストーリーや世界観の作り込みが徹底しているのですが、これこそが奈良(地方)にお店を構えているからこそできる表現だと思うし、ガストロノミーツーリズムにも通ずる考え方なのだと思います。

デザートは「古都華苺のジェラート 奈良とスペイン」。ミルクジェラートに、いちごの青い部分に似た香りのオリーブオイル。メレンゲにはスミレの花の香りがついていて、そこからも春を感じさせてくれます。


最後はtokiの名物である奈良漬けのバターサンド。

食後は、シェフと学生の交流タイム。

個人的な感想になりますが、地方のPRを目的とした場合、マスコミを集めての記者発表よりも、私は今回のワークショップのほうが長い目で見てとても意義のある内容なのではないかと感じました。メディアの報道は一時的な影響力はあっても、溢れる情報の波にすぐに埋もれてしまう。対して、ワークショップで得られた若者の生きた意見はとても価値あるものだと感じましたし、学生という自由な身だからこそのリアルな声が興味深く、私自身も刺激をもらえた1日でした。

ガストロノミーツーリズム、今後はより耳にする機会が増えそうですね。

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