専門料理12月号は、肉の火入れ。これまでにも何回かやっている人気企画で、今回は2件のレストランを担当させていただきました。
私にとって専門料理は、未だに自分の未熟さを痛感させられる媒体であり、原稿を書くのも他の取材の倍くらいかかる(早く楽に書けるレベルになりたいけど、まだまだ道のりは遠い)。肉の取材は特に難しくて(お菓子のように定量化が難しい。寿司もそうだけど)編集部が求めるレベルまでの聞き取りができてなくて、久しぶりに落ち込むこともありました。
失敗したとき、つまずいたとき、私が最初に感じるのはいつも「悔しい」という気持ち。自分の不甲斐なさに打ちのめされて絶望して、立ち直るのも時間がかかる、面倒くさい性格。だけどその分、もう次は絶対に同じ失敗はしたくない、と踏ん張る気持ちも強くて、そこは少し自分のいいところかな、と40歳になってやっと思えるようになった。それから、どんなときも他人のせいにはするな、という父の教えも、私の人生の約束。
料理もお菓子も、それを一生の仕事として打ち込んでいる人たちは本当にすごい。多忙な中、取材に応じてくれるシェフたちへの感謝を忘れずに、これからも精進していきたいです。