日本で初めて料理人が監修したドクターズ・レストランとして知られるのが、四ツ谷メディカルキューブ内にある「ミクニ・マンス―ル」。
院内レストランですが、一般の人も利用できます。
店名からわかるように、監修は世界の三國清三シェフ
「マンスール」とは、同店のコンセプトである「キュイジーヌ・マンス―ル(痩身料理)」。
1970年代にフランスでミッシェル・ゲラール氏が提唱した、「おいしく食べながら痩せる料理」のことです。
当時のフランスの料理界は、“ヌーベル・キュイジーヌ”と呼ばれる新しいスタイルが確立され始めた頃だったそうですが、ゲラール氏はパリから保養地にレストランを移転し、オリジナルの痩身料理でミシュランの3ツ星を獲得したそうです。
お昼のメニューは、2500円の「アンチエイジングプレート」、3500円の「メニューマンス―ル(コース)」、そして前日までに予約のみの「メタボリック撃退ランチ」のみ。
私のいただいたのは、3500円のコース料理。
前菜、スープ、メイン、デザートまで付いて、総カロリーはなんと500キロカロリー前後
しかも、塩分量も3g以下というからビックリ
コースの内容は一月半で変わるので現在とは異なりますが…一品ずつご紹介しますね。
飲み物は、オーガニックドリンクも豊富。
この日はお仕事で伺ったので、ドリンクはオーガニックグレープフルーツジュースを。
【スープ】
フランス産ホワイトアスパラガスのヴルーテとフォアグラのフラン
やさしい甘みのアスパラガスが、身体にしみわたる~。
低カロリーのコースなのに、フォアグラも入っているのは驚き!
【前菜】
ホタテ貝とひよこ豆の豆粉フリット 高知県トマトとハーブのトマトヴィネガー風味サラダ添え そのトマトのソース
トマトの凝縮した甘みにヴィネガーの酸味やスパイスの風味が絡み合い、食がすすむ一皿。
【メイン】
本日のお魚のグリエ 東京江戸野菜 菜の花とうど、北海道産ごぼう入り 福井産コシヒカリのリゾット添え 桜風味 菜の花ソース
または、
タスマニア産牛ロースのロティ いろいろお野菜添え ポルト酒のソース
お魚を選びましたが、お肉も普通に食べられるってすごい!
お魚の下のリゾットの量もたっぷりで、ここまででかなりお腹いっぱいに。
【デザート】
東京産甘夏のキプロス産ローズウォーター風味ジュレ和え ヨーグルトのソルベとメレンゲ添え
薔薇の香りと甘夏の爽やかさに、ヨーグルトのソルベの酸味がすっきりと調和。
食後は、コーヒーまたはオリジナルブレンドのハーブティー付きでのんびり過ごせます。
実際にいただいてみると、いわゆる「病院食」という感覚はまったくなく、盛り付けや素材の組合せ、味付けに至るまでフレンチをいただいたような食後感。
三國シェフに伺うと、「人間は、1回の食事で500g以上食べないとしっかり満足感を感じられない」のだそう。
そこで同店のコースも、量は500g以上に設定しているものの、使う食材の3分の2は食物繊維にすることでカロリーを抑えており、なおかつ「食後数時間もすれば胃が軽く感じられると思いますよ」とのこと。
おっしゃる通り、数時間後には空腹感を感じるほどで改めてビックリ
おいしいだけの料理は巷に溢れている昨今、お客さんも単に腹を満たすのではなく、本当に身体に必要なもの、求めているものを選び取る傾向は、今後ますます強まると思います。
レストランも、味の追求だけではなく「食べて健康になれる料理」、ひいてはその時々でお客さんの体調に合わせたものを提供したりすることが求められる時代にきているのかもしれません。
私も、毎回の食事はきちんと責任をもって選ばなければならないな…と思った1日でした。