専門料理最新号は、「トップシェフの思考回路」
福島県いわき市にある「HAGI」の萩シェフを取材させていただきました
例えば「旬のこの野菜を使った前菜を作ろう」という発想があったとして、調理法や素材の組み合わせの意図、ソースの有無、あしらいの葉っぱに至るまで、「なぜそれを選んだのか」を深掘りした専門料理らしい硬派な企画。日々、取材をしている中でシェフの方に「なぜこの素材を合わせたのですか」と聞くと「相性がいいから」「同じ旬の素材だから」といった回答も多く、どう相性がいいのか、他の素材もある中であえてそれをあわせた理由は…ともう一歩先の答えを知りたかった私にとっては、その全てに答えをもらえるめちゃくちゃ楽しい取材でした。
その土地でしか食べられない料理にこだわり、さらに一皿ができるまで3桁台の試作を重ねるという萩シェフ。素材の追求も並々ならぬものがあり、収穫後1時間おきに味をチェックしたという採れたてのグリンピースは、茹で加減や塩分濃度の調整はもちろん、ホール、半割、皮の有無などさまざまな状態を取り合わせていて、人生で食べた中で最高に甘くておいしかったです
その他、ルミュゼ石井シェフ、sio鳥羽シェフにコースができるまでの1ヶ月を密着したドキュメントも、読み応え満点。この掘り方を実践できる専門誌は柴田書店以外にないなぁと改めて思います。シェフの回答の中にもたくさんのヒントが隠れていると思うので、料理に携わる多くの方に手に取っていただきたいです