製菓材料のオンライン販売などを行うCottaと、油脂メーカーの不二製油がコラボして、身体に優しいお菓子の情報発信・販売を行うメディア「Cotta tomorrow」が誕生!発表会に参加させていただきました。
「Cotta tomorrow」のコンセプトは、「身体にやさしい手づくりを応援する新しいECメディア」。立ち上げの背景としてCotta黒須社長は、コロナ禍でいわゆる「映える」だけのスイーツから、健康や美容を意識したスイーツへと消費者の嗜好が変化してきたことを指摘。「SNS疲れ」が表面化してきたタイミングでもあり、プラントベースやヴィーガン、グルテンフリーといったお菓子が「次の時代を作る」と確信したそうです。
一方の不二製油は、1950年創業。チョコレートや油脂、大豆製品などをBtoBで販売している企業です。一般の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、製菓業界に関わる人なら誰でも知っている大企業。とりわけ大豆加工製品は国内シェア50%を占めており、豆乳クリームなどはプラントベースフードがまだここまで話題にもならない20年前から展開をしています(私も当時、豆乳クリームを使ったレシピ提案の取材を何度かさせていただいていました)。
「Cotta tomorrow」では、不二製油の豆乳クリームやプラントベースバターなどの製品をはじめ、オンラインで約300アイテムを展開。プラントベースやヴィーガン、グルテンフリーなどは海外ではすでに大きなマーケットに成長しているものの、日本は後進でまだまだ認知も低い状態。そこで、情報発信だけでなくまずは製品そのものを食べてもらう体験も提供したいと、製菓材料だけでなく完成品のお菓子も販売していく予定です。
製菓のプロとしてアドバイザーを務めるのは、アステリスクの和泉シェフ。コロナ前は年間3分の1を海外で過ごし、世界コンクールの日本チームも率いるなどグローバルに活躍している和泉シェフから見ても、「誰もが垣根なく食べられるお菓子」であるプラントベースやヴィーガンのスイーツへの注目度は世界レベルで高まっていると言います(むしろ日本は遅れているそう)。
発表会では、Cotta tomorrowでも販売予定のグルテンフリークッキー「クルスティアン・ショコラ ソイ」と、豆乳クリームを使用したピスタチオとベリーのオペラ「エトナ ソイ」の試食も。クルスティアンは、グルテンのない米粉の特性を活かしてガリガリとした食感に振り切っているのが面白い!間のショコラの層は、チョコレートと豆乳クリーム、豆乳クリームバターを使用しているそうですが、言われなければバターや小麦を使っていないとはわからないほど。
「エトナ ソイ」のほうはスポンジに乾燥卵白を加えたメレンゲを使用しているため完全ヴィーガンではないそうですが、普通のケーキと遜色ない味わい。豆乳バターのクリームがとても軽い口溶けで、ピスタチオの風味も引き立っていました。
試食ではその他、豆乳クリームのラザニアや、植物性素材のだしで作ったミネストローネなども。グルテンフリーのあんバターサンドとシフォンケーキは、米粉専門家の高橋ヒロさんが考案。もちもちとした生地はやはりあんこや和素材と相性がいいですね!
日本ではまだ、プラントベース、ヴィーガン、グルテンフリーの認識が一部の詳しい方以外は曖昧で、その周知も必要ではあるけれども、枠組みにガチガチにとらわれてしまうと食事が楽しくなくなってしまうので難しさがあるなと個人的には感じています(例えば、プラントベースだけど卵を使っている製品や、小麦グルテンが含まれるパンなどは多い)
不二製油の鈴木さんは、「元来、日本ではグルテンフリーやプラントベースの食事が中心だったはずで、歴史が紡いできた食文化で世界をリードしていける可能性があるのでは」と仰っていましたが、私も大いに同感です。無理して選ぶのではなく、ナチュラルに日々の生活に取り入れていくライフスタイルが、今後は浸透していくのではないかなと感じます。