「お菓子屋ビスキュイ」お菓子屋の理想郷

仕事柄、数えきれないくらいのお菓子屋さんを取材してきた中で、ひとつの理想形と思うお店が柴又の「お菓子屋ビスキュイ」

パティスリーでなくお菓子屋、と謳っているところにお店のポリシーがよく現れていると思うのですが、恐らく都内屈指の繁盛店だと思います。

とにかくアイテム数が多くて目移りするのですが、特徴的なのは常時30種類以上を揃えるアントルメと、サービス精神たっぷりの大ぶりなケーキ。

今時、300円台とかで売られているので本当に驚きます。そしてどれも素直に美味しい!

この日は取材前に余裕をもって到着し、しっかり隣のカフェでスイーツタイム。

ショーケース前でかなり悩んで選んだのは、「いばらキッスのカーディナル」480円。ふわふわなビスキュイに、ミルキーなクリームがたっぷり。いちごも大きいのがごろごろ。

コーヒーにはチョコサブレと焼きドーナツのお茶請けもついてきて、スイーツ好きにはたまりません。

ケーキ、可能なら2個食べたかったけど、ビスキュイさんのはひとつでかなり食べごたえがあるので、美味しく食べきるためにも断念…

チーズケーキの上にプチシューなどがのった「本日のケーキ」も美味しそうだったし、いばらキッスのモンブランも捨てがたかったな~。

カフェは10席ほどでランチも提供しているので、競争率も高そう。この日も12時前に満席でした。

古典的なフランス菓子や、モダンな最先端のお菓子ではないけれど、きっと誰もが美味しいと笑顔になるお菓子。

そして、ここはスタッフの労働環境も素晴らしい。

「ここまでやっているお店、なかなかないですよね」と駒水シェフに伝えると、「でも、一般企業だったらいくらでもあるでしょ」とのお言葉が。

ついパティスリー業界で、という視点で見てしまっていたけれど、深刻な人手不足を解消するには、他業種と同じレベルで働きやすい環境を整える必要があるのだと再認識しました…。

個人規模で経営できる小さなパティスリーが増えつつある時代に、これだけの規模のお菓子屋さんを運営し、しかも繁盛させ続けている…という奇跡のようなお店。

地方こそ、こうした夢のあるお菓子屋さんが地域に求められると思うので、パティスリーの一成功モデルとして、これからも第一線を走り続けていただきたいです。

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