先日行われたローソンの新商品スイーツ発表会に参加してきました。
まずは、ヒットを続けている「バスチー」好調の背景について。
プレミアムロールケーキが発売されたのが2009年。 その後、「ぎゅっとクリームチーズ」など人気商品は誕生したものの、ここ数年は低迷期にありました。
私自身、「ここ数年のローソンのスイーツは無難で面白味がない。もっと、ローソンらしい尖った商品や、遊び心のある商品を出してほしい」と感じていたのですが、それは消費者も同様だったようです。ローソンが行った消費者アンケートでは、「最近のスイーツはワクワク感がない」という回答が目立ったそう。
バスチーは、昨今のバスク風チーズケーキのヒットを受け、コンビニとしていち早く導入したものですが、従来品とはイメージを刷新したパッケージも人気を後押ししました。
続く「ザクシュー」、「どらもっち」、「サクバタ」なども、食感に際立った個性を持たせた商品。バスチーの発売後、相次いで導入したことで、スイーツ全体の売上は昨年比25%増という数字を叩き出しています。
スイーツのトレンドが短命で、プレミアムロールケーキのような長期的なヒットが難しい時代、消費者に求められるのはやはり継続的な新商品の導入、ということになるのでしょうか。
好調を受け発売になるのは、写真の「プレミアムバスチー」320円。
現行のバスチーでさえ、「濃厚なので食べきれない」という声もあるなか、さらにクリームをのせ、カラメルソースやナッツをトッピングした重厚な仕立て。ただ、バスチーファンには刺さりそうですね。
実は今回のバスチーの開発にあたり、それぞれの客層がどんなスイーツを購入しているかを分析し徹底したところ、実は男女年齢問わず同じ商品に集中していた、というデータが割り出されたそう。
つまり、ローソンのスイーツは種類があるようでいて、実は選択肢は限られていた、ということになります。
そこで、よりそれぞれのターゲットを意識した商品開発を行うことで、ニーズにあったスイーツを購入できることを目指したそう。「お客の声にきちんと耳を傾ける」という点において、コンビニのなかではローソンがもっとも柔軟なのかなと感じます。
好調の「どらもっち」シリーズには、新作のチョコ味が登場。
この断面!クリームぎっしり。チョコチップも入って180円とは驚き。
しかもこの商品、洋菓子メーカーのモンテールが作っているので、生地もクリームも格段に美味しい。個人的にはもちもちした生地、苦手なのですが、これはもちっとしながらもふんわり感があるので食べやすいです。
「サクバタ」の新作は、ベリベリチーズ。これは10~20代向け商品ですね。
「ぷるシュー」は、プリンの入ったシュークリーム。
従来のように焼いたプリンを入れるのではなく、焼いたシュー生地にプリン液を投入し、冷やして固めているので、食べるときにプリンがずるっと落ちることなく、生地と一体感のある味を目指したそう。
個人的には、これはかなり苦手な味でしたが(全体が同じテクスチャーなので、逃げ場がない)、こういう振り切った商品もあっていいんです。それがローソンらしさにつながるのだから。
最近はファミマやセブンも、スイーツの開発やプロモーションを強化していますが、ローソンの場合、スイーツの売上は全体の4~5%だそう。
それでも、単価の押し上げや新規客層やリピーターの獲得など、売上の数字だけでは計れないメリットがスイーツにはあるのでしょう。
さらに、200円台のバスチーがヒットした、という点も、今後のコンビニスイーツの展開を占う大きなポイント。
200円台のスイーツが売れるようになれば、300円台のステージも見えてくるかもしれませんし、そうすると商品開発の幅もかなり広がるのではと思います。
バスチーをきっかけに、コンビニスイーツがさらに盛り上がることを期待しています。